「技術だけではない、心を育てるネイリスト教育」

〜お客様の笑顔を引き出す“カウンセリング力”の重要性〜

ネイリストとして活躍するために必要な力とは何でしょうか。多くの人がまず思い浮かべるのは、繊細な技術や美しいデザインを生み出すセンスかもしれません。確かにそれらはプロとして欠かせない要素です。しかし、真にお客様に寄り添い、長く信頼されるネイリストを育てるには、技術習得と同じくらい「カウンセリング力」が重要なのです。

カウンセリング力とは、目の前のお客様が何を求めているのかを丁寧に汲み取る力。言葉にならないニュアンスや、ライフスタイル、爪の悩み、そしてその人らしさを感じ取る感性です。この力があるからこそ、ネイリストはお客様の本当の笑顔を引き出すことができます。

多くのお客様は、「自分の好みをわかってくれるネイリスト」を探し求めています。単に流行のデザインを施すだけではなく、自分の爪の状態や生活に合った提案をしてくれる存在。だからこそ、ネイリストは「技術で勝負する」だけでなく、「心で寄り添う」姿勢が求められるのです。

たとえば、ネイルデザインよりもジェルネイルによる補強を優先する方もいれば、そり爪を美しく整えるフォルム形成を重視する方もいます。ネイルをする意味は人それぞれ。美しさの定義も、求める価値も違います。だからこそ、地爪の状態をしっかりと把握し、その人にとって最適な技術を提供することが、プロネイリストの在り方なのです。

ネイリスト教育においても、この視点は欠かせません。技術だけを教えるのではなく、「お客様の声を聴く力」「爪の状態を見極める力」「その人らしさを尊重する力」を育てることが、真のプロフェッショナルを育てる道です。

ネイルは、単なる装飾ではなく、自己表現であり、癒しであり、時には自信を取り戻すきっかけにもなります。その一歩を支えるネイリストは、まさに“心の伴走者”なのです。

これからのネイリスト育成には、技術と心の両輪をバランスよく育てる教育が必要です。お客様の人生にそっと寄り添える、そんなネイリストを一人でも多く育てていきたい——それが、私たちの使命です。